2025年3月2日(日)、特急「むろと」を撮影した後に阿佐海岸鉄道を訪問しました。地蔵橋から阿波海南までぴったり二時間。アプローチが長いものの、牟岐線の桑野から先、進むほどに末端区間らしさが増す感じはなかなか情緒がありました。降りて撮り歩きたいけど、我慢ガマン。
阿波海南11:42着。阿佐海岸鉄道の上り列車?が11:44定刻に到着。



慣れ親しんだ鉄道とは異なる様態に、なんとも言えないおかしみがこみ上げてきます。
ネットで予約しておいた、11:50発の入線です。


遮断機を上げて入線してくるところや緑の乗車帯、バスと鉄道が融合した不思議な世界。そう、初めて目にするものばかりで、自ずとテンションが上がります。
車内。

バス? 列車?
「バスそのもの」って書かれた乗車体験を読んだのですが、ワタシはむしろ鉄道っぽいな、と思いました。走り出すとほぼ速度一定で、バスのようにウンウン唸らないし、「タタン、タタン」と刻む二軸のジョイント音は鉄道そのものだな、と。
宍喰駅で下車。


列車? バス?
後ろ姿に「なにこれ???」感があって面白いですよね。
無事鉄印ゲット。写真2枚目は撮影地へ向かう途中でいただいた、日愛うどん宍喰店の卵とろろうどん、600円。普通に美味しかったかな。



さて、撮影地ですが、なかなか難しいのですよ、これが。高架とトンネルが続いて踏切ゼロなんで、寄り付ける場所が限られてるわけです。あれこれ迷った挙句、天気が好転したので、海を入れて撮れる場所で往復撮ることにしました。

谷のせいもあってか、高らかなジョイント音とともに現れました。結構速いんですよ、これ。乗ってる時はそれほど感じなかったのですが。

もう一本遅いと側面に日も当たったのでしょうが、そこは機動力に欠ける電車テツ、あっさり諦めます。
宍喰駅に戻ったら、乗る列車の一本前が出るところでした。

こうして撮るとDMVが本来の鉄道車両に比べてだいぶ小さいのがわかりますね。
乗る列車の入線シーン。


どんな撮り方をしても「なんだこりゃ?」感が漂います。
隣の海部駅で下車。
面白過ぎる外観です、あらためて。

駅のホームから撮る有名なトンネル。

海部駅にはASA-101が保存されています。


一世代前のNDCですね。同鉄道が開業した1992年からDMVに移行する前の2020年11月まで稼働していたそうです。線路とホームがそのままだと現役車両みたいで、保存の環境としては理想的だなあ。
現行のプラットフォームはDMV用に短く低いのが新設されたものです。


赤いやつをトンネルで撮って、


海部川橋梁で緑を。

車体が鉄道車両より小さいせいか、ファインダー越しだとほんと速い感じがします。シャーって音と共にみるみるうちに近づいてきます。
阿波海南駅まで歩き、上り最終列車を待ちました。

モードチェンジ前と後。


下り最終列車も同じ撮り方をしてみましたが、


後方からだと変化が少ないですね。車内のテレビスクリーンの写り方で、車体に傾きが付いていることがわかります。モードチェンジの所要時間は数十秒でしょうか、いくらもしないうちに発車します。

いやはや阿佐海岸鉄道のDMV、面白過ぎました。景色がいいとか、車両が魅力的とか、一般にウケる基準とは次元の違う「ここにしかない景色」とでも言いましょうか。食指の動かぬ御仁も多いと思いますが、まあ、行ってみてくださいな、きっと好きになりますから。
見た限り地元の乗客の方はおらず、経営環境は厳しかろうと想像しますが、世界でも極めて稀なDMVという仕組みを導入したその英断にエールを送るばかりです。
さて、ワタクシの鉄印の旅もほぼ折り返し地点。あらためて思うのですが、阿佐海岸鉄道なんて鉄印やってなければ多分来ることもなかったので、未知の世界と出会うきっかけを与えてくれる楽しい遊びだな、と実感しています。ここにきて第三セクターに加えて地方私鉄も参画の「東北・道南エリア版」「東海エリア版」が登場してちょっと困っていますが、それはさておき残りは遠方ばかりになりつつあるので、焦らず楽しみたいと思います。
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